「だってタコスは愛だから。」
この言葉に心を掴まれた瞬間、もうこのお店がただのタコス屋ではないことを確信した。
山中湖にあるタコス屋 「Tres Hermanos(トレスエルマノス)」。
ここは単なるタコス屋ではなく、 山中湖という土地ごとメキシコに変えてしまう魔法 を持っている。
なぜ山中湖は“第二のメヒコ”なのか?
「なぜ山中湖でメキシコ料理?」
最初はそう思った。だが、一口タコスを頬張った瞬間、その疑問は霧のように消え去った。
山中湖の 乾いた風、広がる青空、どこか異国情緒を感じさせる景色── まるでメキシコの高原地帯にいるような錯覚を覚えたのだ。
実はメキシコの気候と山中湖の気候には共通点があるらしい。特に 標高の高さと爽やかな風 は、メキシコの山岳地帯のそれに近いという。
これは偶然ではなく、必然なのかもしれない。
タコスがもたらす愛と幸せ
「だってタコスは愛だから。」
このキャッチコピーは伊達じゃない。
トレスエルマノスのタコスは、シンプルながらも 本場の味 にこだわっている。
手作りの トルティーヤはもっちりとした食感 を持ち、一口かじると香ばしいとうもろこしの風味が広がる。
具材も絶妙で、特に カルニタス(豚肉のコンフィ) はじっくりと煮込まれ、口の中でほろりとほどける。
これに フレッシュなパクチーとライムの酸味 が加わると、もう完璧。
食べている間、ふと気づいたことがある。
タコスは、手を使って食べる。
これは 「食事は体験であり、共有するもの」 というメキシコの文化そのものだ。
手で包み、かじることで、自然とその場の空気も和らぐ。
タコスが生み出すのは おいしさだけじゃない。「愛」なのだ。
山中湖 × メキシコの奇跡
トレスエルマノスでタコスを食べながら、改めて思った。
山中湖は、確かにメキシコなのかもしれない。
風が吹き、湖面が揺れ、遠くに見える富士山はまるでメキシコのポポカテペトル山のよう。
そんな景色の中、スパイシーなタコスを頬張ると、日本にいることを忘れてしまう。
ここはもう “第二のメヒコ” だ。
「だってタコスは愛だから。」
この言葉の意味が、山中湖で少しだけ分かった気がする。
次にタコスを食べたくなったら、またここに来よう。
Tres Hermanos で、タコスという愛に包まれながら。
文:制作 イシバシ